和を想う ~池田社長ブログ~
氷と年寄りの冷や水
夏場は、「氷」という字にしばしば目が留まりますが、製氷機のない時代にも、人々は夏場に氷を食していたのでしょうか?
実は、洞穴や地下室に茅葺で覆った小屋を立て、冬の間に採取した氷を保管する「氷室(ひむろ)」なるものを利用していた記述が1300年前の日本書紀からも伺い知れます。
最初は朝廷や貴族など、一部の特権階級にしか味わえない珍品でした。しかし、江戸時代には、江戸市中にも氷室が作られるようになり、庶民でも食せるようになりました。
江戸は玉川から水を引き飲み水として利用していたのですが、夏場は氷を入れて水を売る「水屋」という流しの売り子がいたそうです。
川の水に氷を入れて飲むというのは、いかにも不衛生。実際、年寄はお腹をこわすことが多々あったので、「年寄りの冷や水」という慣用句がここから生まれたそうですよ。